不登校と言う防衛策と言う話しを以前しました。

「学校に行けない」と、よく表現することができましたね。そして、そのお子さまを保護者様はよく受け入れることが出来ましたよね。

そして、その後のことですが・・・。
今回、小児科医会の研修会で統計が出ていましたので共有させていただきます。

子どもの変化はどうでしょう?

①心が安定した68.4%
②ストレスが減った56.1%
③やりたい学びの時間が増えた23.9% という肯定的な変化と、

④昼夜逆転した54.8%
⑤自身・やる気がなくなった43.8%
⑥食が乱れた38.8% というマイナスの変化も見られます。

では保護者の変化はどうでしょう。

①学校や社会への考え方や価値観が変わった82.5%
②不登校の原因が自分にあるかもと自分を責めた64.9%
③子育てに自信がなくなった53.7%
④孤独感・孤立感52%
⑤落ち込んだ・消えてしまいたいと思った45.2%

自分の価値観は変わっても、学校や社会の価値観は変わらない中での葛藤や、家庭主義的な文化の中での子供の問題は「家族の責任」と言うプレッシャーを感じるようになっています。

不登校は子どもにとっても保護者にとっても大きな出来事で家庭に大きな影響を及ぼします。しかし、社会自体は変わらず、社会援助もなされていないため、物質的・経済的・精神的負荷は非常に大きいものになります。

子どもの特性を理解し、子どもが尊厳を持って生きていくために必要なものを探る必要があります。
また、「今」の問題状況が容易に打開できない時、何とかしたいことに答えが出ない時、その事態に耐える力も必要になります。

という事が述べられていました。

ご家族だけですべてを乗り切ろうとするのは難しく他人の助けが必要です。

①子どもの特性を知り、適切な対応を考える。⇒発達を見てくれる病院、心理士
②子どもが利用できる「居てもいい」 あるいは「居たい」と思える場所探し。⇒障害福祉課、地域づくりセンター
③子どもの心のサポート⇒スクールカウンセラー、病院のカウンセラーや医師
④保護者の心や生活のサポート⇒子育て支援課、病院のカウンセラー、スクールカウンセラー

子どもはいずれ変わっていくと思われますが、先の見通せない状況は時として気持ちを落ち込ませることがあります。耐える力はすり減るかもしれません。でも、そのような状況があったとしても、できるだけ子どもの前ではニッコリしていただければと思っています。
当院でも、医師、臨床心理士が伴走しサポートいたします。なんでも相談をご利用いただき、少しでも心が軽くなり、笑顔がふえることがあれば幸いです。

秋草産婦人科藤原小児科医院